邪頭(じゃず)的日記
2004年4月


4月30日(金)

論文Bをオンラインで投稿する。 手続きが複雑で、送るだけで一時間もかかってしまった。 論文Cはしばらく放置することに。

午後は所要で都心へ。 都会へ出ると鼻の穴が汚れる。 深夜に帰宅。


4月29日(木)

晩にスパイク・ジョーンズの「マルコヴィッチの穴」をDVDで見た。 単に変な映画と言ってしまえば済むような作品で、私にはあまり面白 く感じられなかった。 発想の奇抜さは認めるが、ストーリーがうまくできていないのだと思う。 家内も全く興味を示さず、一緒に見ようとさえしなかった。


4月28日(水)

午前中に講義。 午後に一旦論文Bを仕上げる。 院生と議論する。

寺島靖国の「サニーサイドジャズカフェの逆襲」(朝日文庫)終了。 寺島氏はブラッド・メルドーが相当お嫌いのようだ。 曰く「難しいピアノ」、 「フレーズを作る前に意図的に壊してしまう」、 「聴き手にフラストレーションを与えようとしている」、 「勢いに対する不信感を持っている」など。 これらは全部当たっていると思うが、だからと言って嫌いになるか どうかは個人の趣味の問題だろう。 私などはまだ修行が足りないので、メルドーが気になって仕方がない。 今日も"Anything Goes" (Warner Bros.)聴いて、フラストレーション を溜めている。 うう、爆発したい。


4月27日(火)

まだ少し喉が痛む。 午前中は化学熱力学の講義。 今年度の講義では、基礎の基礎を徹底的にやってみることにした。 午後は秘書さんと一緒にワークショップ の準備を行う。 夜は今書いている論文Bに気を送り込む。


4月26日(月)

今日は良いニュースと悪いニュースがたくさん入ってきた。

午前中は研究室ゼミで、学生が「バイセル(=バイレイヤー+ミセル)」の 論文紹介。 午後は「怒りの返事」を最終的にチェックして、論文Aを再投稿する。 今度は問題が起こらないことを願うばかりである。

昨日から赤子が風邪をひいているので、夕方、車に乗せて小児科へ 連れていく。 たいしたことはなさそうだ。 赤子経由でうつった私自身の風邪はなんとか踏みとどまっているが、 まだ本調子ではない。 娘は娘で小学校の視力検査でひっかかってしまったらしく、こちらも 少し頭が痛い。


4月25日(日)

昨晩は寝る前から軽い頭痛がして、朝から体調がすぐれない。 映画のせいで久しぶりに夜更かしをしたのがたたった。 まだ症状はないが、なんとなく喉に違和感があって、風邪をひきそうな 予感がする。

以前にも書いたが、最近、自宅のパソコンの調子が悪いので、思い切って XPを再インストールしてみた。 XPを入れ換えても、アプリケーションソフトが消えていないのが気持ち悪い。 こういうのを親切というのだろうか。 それでも様々な設定やアップデートなどで、夜までかかってしまった。 せっかくの休日には、もっと生産的なことをしたかった。


4月24日(土)

論文Bにちびちびと手を入れる。 午後はさっぱりしたくて散髪に出かける。

夜にロマン・ポランスキー監督の「戦場のピアニスト」をDVDで鑑賞 した。 最近のCGを多用した現実味のない映画に辟易している私にとって、 久しぶりに見応えのある内容でとても満足した。 この映画を見ていると、人間が文化や芸術を生み出す根源的な力は 「怒り」ではないかと思えてくる。 ポランスキーの他の作品も見たくなった。

ただし、こういう映画でユダヤ人迫害の悲惨さを描いても、それは 長い歴史の一断片に過ぎないことを肝に銘じるべきだろう。 ある意味で、今、ユダヤ人はパレスチナ人に対してかつてのドイツ軍 と似たようなことをしているのだから、歴史はそう単純ではない。 それにしても悲しいのは、私にとってこの映画のドイツ軍と大学管理本部が 重なって見えることである。


4月23日(金)

今秋に都立大で行なわれる ワークショップのために秘書さんを 雇うことになり、今日がその最初の日であった。 私自身も初めての経験であったため、適切な指示が出せなくて、 秘書さんも困ったことだろう。 そもそも秘書をあてにするなどというのは、もっと大物になってから するべきことかもしれない。


4月22日(木)

講義や会議がないので、しっかり自分の仕事をしようと思って いる日に限って、どうもうまく進まないことがよくある。 今日はまさにそんな日であった。 論文Cの書き出しを考えていて、結局、一日かけて二文しか思い浮かば なかった。 自分の中で、書く内容がまだ十分に熟成されていないからだろう。 もう少ししっかりと材料を仕込んで、発酵するのを待つことにしよう。


4月21日(水)

午前中は一般化学の講義。 余計なことばかり話しているものだから、講義終了後に一人の 学生から「いつになったら難しくなるんですか」と聞かれてしまった。 その心意気を卒業まで維持して欲しいものだ。

ここのところばたばたとして、この日記本来の目的を忘れてしまい そうである。 以前紹介したブラッド・メルドー・トリオの"Anything Goes" (Warner Bros.)は毎日聴いていても飽きない。 メロディーを覚えられないところが凄い。

それ以外で最近入手しているのは、

の二枚である。 前者は邪頭などはるかに超越した、広い意味での音楽による対話。 ヒギンスが亡くなった2001年の3月の二ヶ月前の録音なので、 恐らく彼の遺作だろう。 スタン・ゲッツとケニー・バロンの"People Time"をも彷彿とさせる、 人生最期の音楽。

ジミー・スミスの方は1972年のロック調ライブ。 邪頭がさえなかった時代もしたたかに生き抜いたおやじ、みたいな。


4月20日(火)

午前中は化学熱力学の講義。 その後に会議が二つあってちょん。

今日は少しだけ心の余裕が生まれたので、日頃思っていることを一つ 書き記しておこう。 最近、若者を中心に「〜、みたいな。」という言い方が蔓延していていて、 これが気になって仕方がない。 最後にくるところがポイントで、本質的には表現力の貧困さに由来すると 思われる。 ある意味では断定を避ける日本人的な言い回しかもしれないが、私には 美意識のかけらも感じられない。 皆さん、「〜、みたいな。」はやめましょう、みたいな。


4月19日(月)

午前中は研究室ゼミ。 界面活性剤のラメラ相にずり流動をかける実験の論文紹介が あったが、実験条件が複雑過ぎて、なんだか良くわからなかった。

午後はレフリーへの返事の手紙をもう一度検討する。 またしても投稿論文Aよりも長くなってしまいそうな勢いである。 夜には一旦、共著者に送る。 まずまずの反応。

ゲッツ板谷の「タイ怪人紀行」(角川文庫)は半分程度読んだが、 少し飽きてきて、再び寺島靖国の「サニーサイドジャズカフェの逆襲」 (朝日文庫)をぱらぱらと眺めている今日この頃。


4月18日(日)

午前中も怒りが継続したまま、返事の手紙の内容を練る。 午後は気分転換のために、橋本へ買物に出かける。 新しい眼鏡の角度を微調整してもらう。 おやつに菓子パンを食べていたら、少し気分が落ち着いてきた。 しかし、注文したアイスカプチーノに氷が一かけらも入って いなかったので、再びブルーになる。 仕方なく気分転換のために、服を一着買う。

数日前に自宅のパソコンがウイルスに感染したようだ。 自分なりに駆除したつもりだが、今一つ挙動不審で気持ち悪い。 システムを再インストールするつもりで、リカバリィCDを探したが 見つからず、いらいらは募るばかりである。


4月17日(土)

朝から頭痛で極めて体調がすぐれなかったが、一日中、昨日届いた 新しいレポートに対する反駁の手紙を書いていた。 怒り爆発でかなり感情的な内容になってしまった。 そのせいで、ますます体調が悪くなりそうである。


4月16日(金)

今日はしごく頭にきたことがあった。 一昨日に再投稿した論文Aに対して、編集部から受け取ったという メイルがきたところまではよかったが、その中で、実はもう一つ 新たなレフリー・レポートが遅れて届いたから、再投稿の論文Aを コエディターに回す前に、遅れたレポートにも対応してくれというのだ。 しかもひどいことに、そのレポートの内容が我々の論文Aに対して 全く否定的なのだ。 これは明らかにルール違反。

夜、学生が我が家で鴨鍋を料理してくれた。 総勢10名。


4月15日(木)

ひたすら論文B書き。


4月14日(水)

午前中は主に物理学科一年生用の「一般化学」という講義。 内容はほとんど量子力学である。 今日も漫談。

午後は再度論文Aをチェックして、夕方に再投稿。 ようやく現在執筆中の論文Bに戻れることになった。


4月13日(火)

朝の9時から委員会が二つあり、一分も休む暇がないままに、 最初の化学熱力学の講義。 今年の三年生は人数が多くて、椅子に座れない学生もいた。 今日は最初なので、ほとんど漫談で終わってしまった。

午後は論文Aの最終修正。


4月12日(月)

午前中は研究室ゼミ。 午後は一体何をしていたのかしらん。 院生は今年から大学でサイトライセンスを取得したMapleをLinuxに インストール。


4月11日(日)

夕方に実家から戻る。 帰りに橋本で新しい眼鏡を受け取る。


4月10日(土)

実家訪問。宿泊。


4月9日(金)

別の論文Bをちびちびと書き進める。 夕方に近所の公園で軽い花見。 寒くて少し体調を崩す。


4月8日(木)

結局、一日かけて論文Aを再修正する。


4月7日(水)

娘が小学校に登校するようになって、今までより早起きになった。 論文Aの修正に対して共著者から意見がきて、さらに別の新しい参考 論文も添付されていたので、ごそごそと目を通したり考えたりする。 夜は新宿で会食。 純粋に楽しかった。


4月6日(火)

午前中は有給休暇をとって、娘の入学式に出席する。 なかなか良い雰囲気の式典であったと思う。 それにしても、小学校の先生の仕事は大変そうである。

今日は研究室の学生の席替え。 パソコンもあちこち入れ替えて、設定の変更などで午後の時間を 使ってしまう。 夜は軽く「お疲れ様会」のつもりが予想外にディープになり、 さらに疲れる。 深夜に腹の調子が悪くなる。


4月5日(月)

この日をどのように過ごしていたかと言うと、先日受け取った レフリーコメントにどう対応するか一日中思案していた。 結局、文章を四つだけ加えることにした。

眼鏡の在庫はあったのでよかった。 そのまま注文。


4月4日(日)

いつの間にか、ブラッド・メルドーの新譜が出ていたのね。 早速、"Anything Goes" (Warner Bros.)を入手して聴いてみる。 ジャケットはかなりダサいです。 前作の"Largo"の内容は変則的だったのでやや不安があったが、 今回はオリジナル・トリオによるストレートな演奏でなかなか良さそう。 それでも、彼らの演奏は一度聴いただけではなかなか理解できないので、 これからが楽しみである。

昨日物色した眼鏡のうちで、家に帰ってから決めたものを入手しようと 今日も同じ店に行ったら、なんと直前に買われてなくなっていた。 運が悪い。 とりあえず同じ物を注文しておいたが、店員に在庫がないかもしれないと 言われる。


4月3日(土)

3月に娘の誕生日プレゼントを買いそびれていたので、おもちゃ屋に 行って、シルバニアの「きいちご林のかわいいお家」を買ってやった。 親としては見事におもちゃメーカーの戦略にはまったようで、なんとも 不本意であった。 ついでに私の眼鏡もいろいろと物色したが、残念ながら今日は決める ことができなかった。


4月2日(金)

ゲッツ板谷の「ベトナム怪人紀行」(角川文庫)終了。 同じ著者による「タイ怪人紀行」(角川文庫)開始。 決して暇ではないんだけどなぁ。


4月1日(木)

2月に投稿したラフトの論文Aのレフリーコメントが送られてきた。 幸い特に問題なし。


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2004年1月〜2月: ケンブリッジ滞在篇
2002年8月: リーズ滞在篇
1998年12月〜2000年3月: 不安なイスラエル日記


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