最近、内田春菊にはまっている。 「24000回の肘鉄」(角川文庫)読了。
次は何を読もうかと思っていると、偶然「私たちは繁殖しているピンク」 (角川文庫)の新刊広告を見つける。 「私たちは繁殖しているイエロー」の続編。 即購入。
ケニー・バロンの"Live at Bradley's" (Verve)はすばらしい。 以前、チャーリー・ヘイデンとのデュオ作品"Night and The City" (Verve)もべた誉めしたことがあるが、間違いなくケニー・バロンは 今が旬のピアニストだ。
リラックスした中にも、絶妙につぼ押えた唄心がいたるところにちりば められており、聞いていて思わずニンマリしてしまう。 ビル・エバンスほど神経質ではないし、キース・ジャレットより ブルージーだし、ハービー・ハンコックほど奇抜ではないし、 マッコイ・タイナーほど重くないし、オスカー・ピーターソンほど くどくない。 このあたりのバランスが心憎い。
前期試験監督、二日目。人間的精神活動停止。
前期試験監督。思考停止。
ようやくこの「邪頭的日記」が「ジャズ的日記」になる日がやってきた。
新宿ピットインで森山威男カルテットを久々に体験。 今日のライブレポートは多分 ここや ここ に出るであろうし、これまでの森山の演奏の凄まじさもあちこちで 言い尽くされている。 しかし、ただ単に迫力があるとか、すばらしいとか、感動などという 月並みな評ではどうも彼の本質に迫れないような気がする。 そこでここでは、なぜ森山威男が偉大なのか改めて考えてみたい。
その答えを簡潔に述べるとすれば、「自身の音楽性の無さをそのまま自らの スタイルにしてしまったこと」であろう。 森山は、マイルスのようにその空間、その瞬間で最も効果的な一音を選べる タイプの音楽家ではない。 ジャズとしてはむしろスイングしないと言ってもいいだろう。
そんなことは森山にとっては最初から嫌というほど分かっていて、だからこそ ドラムの「技術」を極限まで追い詰めるしかなかったのであろう。 それは文字通り血の滲むような練習であっただろうし、プロレスラーの 身体の鍛え方と同じ様に自虐的だ。 気を抜けば死ぬ。
そう思って森山のドラミングを見ると、自分の音楽性のなさに渾身の怒りを ぶつけている結果としか思えないのである。 「ワシはセンスがないから、もうこうするしかないのよね」という 「いじけ虫ジャズ」である。 今だに森山が「自分にはドラムが合っていない」と言っているのも、 こう考えるとうなずけるのだ。
しかし恐ろしいことに、この「いじけ虫ジャズ」が一つのスタイルになって しまった。 スタイルはジャズマンの究極の目標である。 今だに物理の才能に自信の持てない私が森山に共感するのは、まさにこの点なの である。
最後に今日のライブの感想を一言。 観客がいつまでも森山に怒涛のドラムを期待するのは可哀想である。 人生もドラムもゆっくりと休んで欲しい。
広大の川端君が都立大来訪。 先日来、色々な人と議論している液滴のゆらぎを深く考える。 しかし相変わらず、平衡の液滴サイズが何で決まるのか分からない。
夜は川端君と西新宿の韓国料理「アリラン」でジャズドラマー談議。
教室会議。
昨年12月に投稿した論文のレフリーコメントがメイルで送られてくる。 基本的にはアクセプトされそうで一安心。
内田春菊の「私たちは繁殖しているイエロー」(角川文庫)読了。 自分の妊娠、出産、育児の体験に基づいた漫画。 同じ経験のある私にとって(もちろん育児のみ)、この人の余裕ぶりは なかなか壮快である。 「生物学的に考えて、人間が牛の乳を飲まなければいけないのはおかしい」 という私の以前からの無茶な主張が、そのまま本の中で出てきたのには 笑った。
物質研の関氏が4時間もかけてつくばから来てくれる。 一度、都立大を訪れてくれた人は異口同音に「もう二度とこんなに 遠くまで来たくない」とおっしゃる。液滴のゆらぎを再考。
ブルーバックスから出ているド・ジャンの「科学は冒険!」を 二日分の電車通勤時間で読み終える。 この本は私の留学中に出版されたので、最近までその存在を知らなかった。 邦訳のタイトルがあまりに陳腐であることも、気付かなかった理由の一つだ。 原著のタイトルを尊重して、例えば「壊れやすい物」などであれば 必ずや目を引いただろうに。
高校生や大学生用の啓蒙書としては大変すぐれている。 後半はフランスの教育事情を知らないと分かりにくい部分もあるが、 私にはその部分が新鮮であった。 フランスの大学の改革案として、研究者のサバティカルを徹底するように 主張している部分はそのまま日本にも当てはまり、大いに共感した。
昨日に引き続いて、学生の発表の練習。
雑誌「化学」から原稿依頼がくる。 自分が化学科に所属することを改めて認識する。 サンプルとして同封されていた「化学」の2月号を眺めて、 物理雑誌の「パリティ」のような位置付けだろうと勝手に想像した。 間違っていたらごめんなさい。
午前中は修士と卒研の発表の予行演習。 午後は長い長い教授会。 おまけに軽い頭痛で仕事は全く進まない。
家族で井の頭公園の動物園へ行く。 象を恐がる娘。
確定申告?
お茶大の今井さんと中谷さんが都立大を訪れてくれる。 長時間のディープな議論。
午前中、修士課程の面接試験。
論文書き。
昨年、一度は挫折した「邪頭的日記」であるが、何となく再び 始めてみることにした。 日記にはやはり情報発信の意味がある。 それでも今回はあまり力を入れないようにしよう。
松山さん(三重大)の「 ソフトマテリアルの掲示板 」にリンクを張る。