もぐらたたき。 悲しいことに、どこからもぐらが出てくるか予想できるぞ。
来月の集中講義の準備。 あっ、これはもちろん、もぐらたたきではありません。
落ち着いて仕事の計画を考えられるのが、休日くらいしかない のは「もぐらたたき病」のせいか。 それでも二時間ほど読書時間がとれたので、藤原正彦の 「古風堂々数学者」(新潮文庫)を一気に読み切る。
ブルーノートでのオスカー・ピーターソンのライブを インターネットで再確認したら、あっという間に全公演が 満席になっていた。 週日は大丈夫だろうと甘くみていた私がいけなかった。
研究室ゼミ。今日の二つの文献紹介は面白かった。
先週の木曜日の日記には、ブーレーズ先生のコンサートに行った ことを書いたが、案の定、「武満徹」を「武光徹」と間違える という、大失態を演じてしてしまった(すでに修正済み)。 元々誤字脱字の多い私も、今回ばかりは安易な漢字変換のせい、 というだけでは済まされない気がする。
ただし、こんなこともあろうかと、何も批評などをしなかったのは、我ながら賢明だったと言える。 本格的なコンサート評を見たい人は、私の女装を期待し、 さらに誤字を指摘してくれた この人の評をどうぞ。
昨日の「美女と野獣とおもしろジャズ」というコンサートで 不思議だったのは、ディズニー映画の「美女と野獣」からは 一曲も演奏されなかったことである。 さんざん家内と議論してたどり着いた結論は、司会のお姉さん (正確にはおばさん)が美女で、嶋津さんが野獣なのだろうと いうことになった。(嶋津さん、失礼!)
八王子市議会議員の選挙日。 候補者を誰一人として知らず、元々この選挙にほとんど関心は なかったが、一般的に選挙は大事だということを娘に教えるために、 敢えて投票に行くことにした。 ただし、しんとした投票所で、娘が「おとうさん、だれのなまえ かいたの」と大声で訊ねてくるのには閉口した。
午後から最寄の南大沢文化会館で行われた、 「美女と 野獣とおもしろジャズ」という 子供向けのコンサートに家族で足を運んだ。 たまたま出演者の 嶋津健一さんというピアニストは、私が学生時代に 所属していた邪頭研の先輩なのだ。
コンサートの大部分は、子供のリクエスト曲をその場で 受け付けて演奏するという形式だった。 「となりのトトロ」や「ドラえもん」などは演奏者も 予め準備していたらしいが、「アラジン」や「スターウォーズ」 などは予想外だったようだ。 それでもさすがは邪頭マン、少しばかりの打ち合わせで 難なく対応していた。 ただし、「釣りバカ日誌」だけは無理だった。 (そもそもそんな曲があるのかしら。)
演奏が終わってから嶋津さんに挨拶をしに行った。 二十年振りに会う私のことをはっきりとは憶えておられない ようだった。 嶋津さんは普通の人の二倍の人生を生きているよう気がする。 私には到底真似ができないので羨ましく感じる。 自分が小さく思われる一日であった。
隣りの研究室に配属された学生が、突然私の部屋に来て、 「新聞でブラッド・メルドーの記事を見て興味を持ったのですが、 どのCDが一番お薦めですか」と質問してきた。 咄嗟には答えられないので「全部だよ」と返事をしておいた。 でもそれだけではあまりにも意地悪なので、いくつかCDを貸して あげることにした。
学生が帰った後に、一体自分は何の先生なのだろうと、ふと考えて しまった。
仕事をいつもより早めに切り上げて、初台の東京オペラシティへ向かう。 ピエール・ブーレーズの指揮によるグスタフ・マーラー・ユーゲント・ オーケストラのコンサートである。 開場前に紀伊国屋で藤原正彦の新刊「古風堂々数学者」 (新潮文庫)を購入する。
バルトーク、武満徹、ブーレーズ、ラヴェル、メシアンの曲 が演奏されたと書いておけば、だいたいの雰囲気は推察して いただけると思う。 私としてはブーレーズ先生をこの目で有り難く拝見することが できただけで満足である。 ど素人の私が演奏内容の批評などをしては、天誅が下るだろう。
会場で浅田彰と大江健三郎および光君を目撃することがで きたのは楽しいおまけであった。
夕方に電算機運営委員会があり、今年度の委員長になって しまった。 その上、今年度は研究科長から委員会に大きな宿題を 課されているので、実はかなり頭が痛い。 まあ、引き受けたからにはちゃんとやりましょう。
最近、私の「もぐらたたき病」が悪化している。 次々に頭を出してくる用事を叩いているうちに、常に 戦々恐々とした心理状態になってしまうのだ。 必ずしもすべてが雑用ではないし、今のところなんとか 押さえ込んでいるが、一度、完全崩壊しないと治らない かもしれない。 私はまだまだ小物です。
「裏窓」最後まで。 おそらく三度目の鑑賞完了。
講義、教室協議会、講義のサンドイッチデー。 夜の講義には、物理学科の学生が一人出席していた。 講義が終わってから、その学生としばらく部屋で話す。 それが終わって、さらに院生と22時まで話し込む。
基研研究会 「ソフトマターの物理学2003−普遍性と多様性」 の案内が送られてきた。
午前中は研究室ゼミ。 レフリーの仕事はそろそろ打ち切りたくなったので、 再度気合を入れて読み返す。
「裏窓」をさらに30分。
久しぶりに新宿の紀伊国屋まで足を運ぶ。 物理と化学関係の本を確認しながら、自分の訳本が置いてあるのを 見て一安心する。 「数理科学」のバックナンバーから面白そうなものを入手しておいた。 山下洋輔の「風雲ジャス帖の逆襲」(東京書籍)も衝動買い。 HMVで餌を漁るも本日は収穫なし。
帰りは明大前で広島風お好み焼きを食べて帰宅。 寝る前にヒッチコックの「裏窓」を40分ほど鑑賞。 休日らしい休日。
物理学会の化学物理分科の世話人をしているため、領域12の キーワードの英訳をすることになった。 ところが情けないことに、専門から少し外れると全くわからなく なってしまう。 例えば「光物性」のように簡単そうな単語でも、適当な英語が 思い当らないのである。
己の無知はともかく、今のキーワードは見直した方がよいのでは なかろうか。 色々な意味でアンバランスな気がする。
夕方、娘と一緒に金魚を買いに出る。 二匹で80円也。 夕方は化学科の新入生歓迎コンパ。
午前中にオレオサイエンスの原稿を一旦仕上げてしまう。 これも塩漬けにする。 午後はしばらく放置しておいた、頭の痛いレフリーの仕事に 本腰を入れる。 わからない。
図書館に置いてあるスイングジャーナルで、ブラッド・メルドー のコンサート評を読む。 キース・ジャレットのソロと比較したくなる気持ちはよくわかるが、 全く新しいタイプのピアニストと考えるべきでなかろうか。
執筆中のオレオサイエンスの原稿に、ネットワーク構造の双連結 マイクロエマルションの話題を書こうとして、サフラン先生 の論文を幾つか一生懸命読む。 文句なくすばらしい着想であり、あまりのスマートさに嫉妬心 が湧いてくるほどである。 陳腐な表現だが、サフラン先生は私にとって永遠のアイドルである。
昨日は疲れたので、朝はまともに起きれないかと思ったが、 一晩寝たら一応復活していた。
オレオサイエンスの原稿執筆。 この日記の読者は恐らく聞いたことがない雑誌名だと思うが (私も知らなかった)、日本油化学会の学会誌である。 物理屋のいい加減な記事が顰蹙を買わないかと心配である。
同じ日に同じ講義を2回行うのはしんどいです。 これは私にとって初めての経験です。 しかも、今日は久しぶりの講義だったのでなおさらです。 おまけに、講義の間に重い委員会があったりして、 夜の講義が終わった後はしばらく部屋で茫然 としていました。
その時、心優しき三宅君が、私のためにバロンのCDを持って きてくれました。 私が以前にケニー・バロンのチケットを入手できなかった ことを知っていたようです。 それなのに私は色々と余計なことを口走ったため、 三宅君に「先生は本当に性格悪いっすね」と言われました。 人間は弱っている時に本性が出るので、彼は正しいのでしょう。
午前中は研究室ゼミ。 加藤先生のミセルの話は非常にためになった。 午後はオレオサイエンスのための原稿を執筆。
今日は色々なメイルがきた。 私にとってメイルのやり取りが仕事上不可欠になっている ことは言うまでもないが、一般的に常に追い詰められたような 精神状態になりがちなのは、実はメイルのせいではないかと思う ようになってきた。
常にメイルが送られてくることに怯え、必ず返事を書かないと 罪悪感をさいなまれ、かと言ってメイルが全然来ないと不安になり、 絶えずメイルをチェックしていないと落ちつかない。 明らかにメイル依存症なのだと思う。 これからの(恐らく長い)人生の中で、どうやってメイルとうまく 付き合っていくかは重要な問題になりそうだ。 誰か良い方法を教えてちょーだい。
来週からは講義が始まるので、ある程度心積もりをしておかなく てはいけないと思い、頭の中で教材を整理しておく。
午後は都知事選の投票に出たついでに、聖蹟桜ヶ丘までドライブ。 駅の周辺に店がたくさんあることを確認しただけで、 何も買わなかった。 夕食にお好み焼きを作って食べたらお腹をこわした。
人生たまにはいい事もあるから、そう簡単にはやめられないわけで、 筒井先生の「死にかた」のようにオニにあっけなく殺されても困るのだ。 しかし、私くらいの年齢を重ねれば、いい事の後には必ず悪い事が 待ち受けているはずということは経験的に知っているので、 「まっ、そんなものか」とわざとしらけてみせたりするのである。 でもそうやってひねくれて、素直に人生を楽しまないのは、長い目で みるとかなり損をしているような気もする。
荷電脂質の論文がアクセプトされた。
午後から都内某所へ所用で外出。 夕食は訪問先の人達と本格的なインド・カレー屋に行ったが、 あまりの辛さに頭から汗が吹き出してきた。 私一人がカレーと格闘しているようで少々恥ずかしかった。
帰りの電車では、先日三宅君に言われて気になっていた、 筒井先生の短篇「死にかた」を復習しておく。
チューブの論文は一旦仕上げて塩漬けにする。 秋に仙台で開かれる国際会議のアブストラクトも用意しておく。
顔に「にきび」が一つできた。 思わず昨年のヘルペスを思い出してぞっとした。 (つまらない話題で失礼。)
臨時の教務委員会。
フセインの銅像が倒されるのを生中継で見ていた。 今回の戦争では、基本的に強きが弱きを倒すという、動物として 最も根源的な欲求が、国家や人権などいう概念を軽く吹き飛ばして しまうのを目の当たりにした気がする。
戦争の是非は全く別問題として、最近思い続けたことは、 連合軍の現場の兵士は偉いということである。 私にはとても真似ができない。
午後は化学科の麗しき新入生のためのガイダンス。
特に深い理由はないが、これまでジョシュア・レッドマンは あまり聴いてこなかった。 しかし、彼の昔のCDにブラッド・メルドーが参加していた ことを知り、俄然興味が湧いてきた。 こうして邪頭地獄は縦横無尽に広がっていく。
午前中は今年度最初の研究室ゼミ。 物理学会の報告会。
夕方、研究室のメンバーが集まって大学近くの公園で花見をする。 一時間程度、ビールなどを飲んでいたら皆寒くなってきたので、 急遽我が家に移動する。 娘は大人数(15名)の来客で、終始大興奮状態であった。
近所の「柳沢の池公園」と「富士見台公園」で軽く花見。 その後、娘がピアノのレッスンで使う五線紙を求めて八王子まで 出かける。
荷電脂質の論文を再投稿。 今度は頼みますよ。
ここ一年程度でコピーやダウンロードした論文の整理をする。 面白そうな論文が再び顔を出すとつい読んでしまいたく なるので、なかなか作業がはかどらない。
今日の嵐で、今年の桜は私が見る前に散ってしまうのか。
かなりショックであったのは、先日書いたケニー・バロンの コンサート・チケットがすでに売り切れてしまったこと。 昨日の10時に予約開始で、11時半には完売してしまったそうだ。 咄嗟には信じられず、思わず何度も電話で「本当ですか」聞き返して しまった。 恐るべし、バロンの根深い人気。
仕方ないので6月のブルーノートのピーターソンに頭を切り換えよう。
パソコンの移動をしたため、Windowsマシンを共有することができず、 VMwareを購入することにした。 しかし、これはあくまでも苦肉の策。 AdobeのソフトさえLinux上で動けば、Windowsは完全に不用になるはずだ。 AdobeとMicrosoftは結託しているのか。
ようやく少しまともに仕事ができるようになる。 午前中はナノチューブの変形に関する論文のいくつかに目を通す。 とにかくこの分野の競争は熾烈である。 昼食後はレフリーの論文を読み進める。 こちらは事情があって、ちと頭が痛い。
夕方にかけて来客あり。 大きな宿題を引き受ける。
病気というほどではないが、明らかにまだ本調子でない。 時々、体の変な部分が痛くなるし。 こういう時には自分一人で集中力を保てないので、 院生と議論することにする。
今年度は教務委員を担当する。 数名の学生が単位履修の件で質問に来たが、初めてで何も 分からない私は、ほとんどまともに答えられなかった。
秋に仙台で行われる国際会議の登録を行う。 手続きが結構面倒。 参加費も、、、
学会の疲れがとても一晩ではとれないのに、朝から大きな 問題と直面してしまう。 一体どうするこの先?
午後は新年度のメンバーによる初ミーティングがあり、 その後、学生が席替えをする。 パソコンの移動で働かない頭を使う。
5月28日に武蔵野スイングホールである、ケニー・バロンの ピアノ・ソロ・ライブに行く人は誰かいませんか?
2002年8月:
リーズ滞在篇
1998年12月〜2000年3月:
不安なイスラエル日記