akikoさんの"Hip Pop Bop" (Verve)を聴いてみましょう。
うーん、彼女は一体何がやりたいのだろう。 デビュー作の"Girl Talk" (Verve)では全体を貫くコンセプトが しっかりしていたが、今回はなんだかごった煮のような内容である。 一番問題なのは、akikoの個性がほとんど消されてしまっていることである。 正直なところ、がっかりした。 唯一、彼女のセンスの良さが光っているのは、スタンダードの 「アイヴ・ガット・ザ・ワールド・オン・ア・ストリング」だろう。
サウジアラビア戦で8点も取ったドイツがブラジルに負けてくれて、 ようやく溜飲が下がる。 実は日本が負けるよりも、ドイツが勝つ方が嫌だったのだ。
集中講義最終日。
午前中に一時間程度のセミナーを二つほど行う。 土曜日の午前中にわざわざ出席して下さったスタッフの方々や、 一昨日から長時間にわたって付き合ってもらった学生さんにはお礼を 申し上げたい。 (しかも昨晩は物理学科のビアパーティーであった。)
昼食後、学生さんの質問を受けたり、川勝さんと少し議論してから、 わざわざ車で仙台駅まで送っていただく。 とても助かりました。 「ゆべし」と「かもめのたまご」をお土産に購入して、 新幹線に乗る。 コーラを飲みながらしばらくぼーっとしていたら、 いつの間にかうとうとしてしまった。 おかげであっという間に東京に着いた。
東京駅構内のCD屋でakikoの"Hip Pop Bop" (Verve)を入手。
集中講義二日目。
午前中は朝食をとりながら、「新・生物物理の最前線」(講談社)を読み始める。 美宅先生が書いた最初の章には、 「分子でできたものは生物といえども物理学で理解できるはずという確信から、 生物物理という学問が成立した」とあるが、歴史的にはそうであっても、 現時点の私には納得できない。 一旦ホテルへ戻る途中にバージンメガストアがあったので、akikoの新譜を少しだけ 立ち聞きする。
昼前に東北大学に行って、寺崎先生と昼食。 今日は昨日の経験もあったので、時間配分などはまずまずであったろう。 流体膜、ミセル、ベシクル、マイクロエマルションなどについて。 予定の内容はおよそカバーできたので、最後に少しだけイスラエル の話をした。
夜は物性理論のスタッフと一緒にフランス料理をいただく。
集中講義初日。
昼前に東北大学に着いて、ホストの寺崎先生は講義中で不在だったので、 川勝さんにお会いしてから、内田君と昼食をとる。 川勝さんは超忙しそう。 午後から講義開始。
出席者が予想よりも多かったのは嬉しい限りであったが、昨晩の 準備不足がたたって、最初の時間帯では話しながら「おや?」と 思うことが何度かあった。 休憩時間にもう一度立て直して、2時間目からはようやく少し 軌道にのり始めた。
初日に予定していた内容を説明し終えて、なんとか無事に終える。 講義の後に数名の学生が質問に来てくれたのは、講義の反応を知る意味でも 非常に有難かった。 その後、寺崎先生の研究室で学生を交えて研究の話を伺う。 ここの学生さんは非常にお行儀がよろしい。
仙台駅近くの吉野家で牛丼を食べて、早々にホテルに退散。
午前中、量子力学の講義。 今日の講義は、しっかりと内容を伝えられなかったので失敗。
一旦、自宅に戻ってから荷物をまとめて、夕方、仙台へ移動。 新幹線では集中講義の最終準備をするつもりであったが、 穐吉敏子の「ジャズと生きる」が面白すぎて、一気に読んでしまう。
ホテルに着いてからは集中講義の最終準備をするつもりであったが、 ついブラジル対トルコ戦を見てしまう。
サッカーの試合の後には、集中講義の最終準備をするつもりであったが、 3人目のレフリーコメントがメイルで送られてきて、これが非常に痛い ところを突いてきたので、そのことで頭が一杯になってしまった。
明日からの集中講義はどうなるやら。
午前中、統計力学の講義。 高分子鎖の統計。
先日、投稿した論文に対するレフリーコメントが送られてくる。 一つはダメ、一つは修正を条件にOK。 ダメと言っているレフリーは、何がダメか全く書いていないのでダメ。
それでもやはりドイツ対韓国戦は気になったので、下宿で観戦。 今日は韓国に勝って欲しかったので残念。
朝の通勤電車で、穐吉敏子の「ジャズと生きる」(岩波新書)を 読み始める。 面白い。
大学に着いて、脂質ラフトの論文を読む。 午後は関連文献の収集。 昼食を挟んで、一瞬青ざめるような出来事が発覚したが、 色々調べて事なきを得る。
講義の質問にきた学部3年生が、「先生はキャッチ ボールが好きなんですか」などと言いながら部屋を 出て行った。 ちょうど、学生とキャッチボールを終えてから、「こんなことを して運動になるのかな」と話していた直後のことであった。
9月に来日予定のアンデルマンの滞在予定を計画し始める。 何回かメイルのやりとり。
極小曲面のことが気になり、いくつか数学の本を眺める。 気の遠くなるような歴史がある問題だ。
阿佐ヶ谷の「うさぎや」でどら焼きを買う。 ここのどや焼きはかなりの名物らしい。
理学研究科の大学院説明会のために、昼前に出勤。 ホームページの影響力は大きい。
行きと帰りの電車の中で、美宅成樹先生の「分子生物学入門」 (岩波新書)を読み終える。 以下は率直な疑問。 ご意見大歓迎。
ゲノムの解析で本当に生命が理解できるのだろうか? そもそも生命を理解するとはどういうことだろう? 「生きている」ことの定義がまだ存在しないとすれば、 生物学は定義されていない問題に答えようとするという、 ある種の自己矛盾を犯しているのではないか?
一晩寝て体調は回復。 集中講義の準備。 OHPやパワーポイントの整理など。
午後はウィッテンの解説文の輪読。 溶液中の高分子鎖同士の排除効果について。 読みにくいが奥深い。
帰宅途中で寄った新宿のタワーレコーズで、思いがけず 今は亡きドラムの師匠、小津昌彦氏と遭遇。 もちろんCDでの話である。
ああ、我が師匠は永遠なり。 涙が出ます、ほんとに。
朝から頭がすっきりとしないし、体も重い。 天候のせいだろうか。 引き続き、集中講義の準備。
午後の教授会が長引いて、さらに頭が朦朧とする。 こういう時に、院生がまともな計算結果を見せてくれると救われる 思いがする。
寝る前に「分子生物学入門」を続けて読むが、あまり頭に入らない。
来月末の生物物理・夏の学校に備えて、にわか勉強のつもりで 美宅成樹先生の「分子生物学入門」(岩波新書)を電車の中で 読み始める。
午前中、量子力学の講義。 波動関数のフーリエ変換の物理的解釈について。 まずはフーリエ積分の説明をする。 午後は一週間後に迫った東北大での集中講義の内容確認。
昼にあった会合では弁当が出されたのだが、注文した弁当の 数が多過ぎて大量に余ってしまった。 しかたなく出席者が分担して四つずつ持ち帰ったのだが、 すでに13時半を過ぎていたので、食べてくれる学生を探す のに一苦労。 結局、二つは冷蔵庫に入れておいて、研究室の院生に夕食と して食べてもらった。 という、どうでもよい話。
久しぶりのキャッチボール。
午前中、統計力学の講義。 調和振動子系。固体のアインシュタイン模型。
日本の敗戦は残念ではあるが、そろそろこのあたりで終わって もらわないと、いいかげん時間をとられて仕方がない。 などと勝手に納得していたのだが、帰宅して韓国の劇的な逆転 勝利を目の当たりにすると、正直なところ羨ましく思えた。 比較してみると、日本チームには韓国選手の気迫が感じられな かったのでは。
そういえば、来月の基研研究会「ソフトマターの物理学」は参加者が たくさん集まってよかった。
中島らもの「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」(集英社文庫)終了。 人間、一体どうしたらこういう生き方ができるのだろう。
午前中、研究室ゼミ。 ダブル・ジャイロイド構造の勉強。 模型をしげしげと眺める。 さらに荷電脂質の相挙動。 午後、院生と打ち合わせ。
夜は多摩センターにある牛角で研究室の飲み会。
人生は休んでいないが、日記はお休み。
軽くて小さい携帯用のパソコンが欲しい。 ということで、新宿のヨドバシカメラで市場調査。 まず、TOSHIBAのLibrettoに着目。 SONYのVAIOよりは安くて手頃。 でもやはり画面が小さすぎるかな。
SHARPのMebius(MURAMASA)はキーのコリコリとした感触が お気に入り。 DynaBookSSもMURAMASAを意識した洗練されたデザイン。 でもこれらは相応に値段が高い。 もちろんすぐには決まらない。
中島らもの「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」(集英社文庫)の続き。
今月末の東北大での集中講義の準備を整える。 これまで使ってきたノートで、不備な点をいくつか修正する。 昨年末に名大で集中講義を行った時に、学生に提出して もらったレポートが役立つ。 ついでに「コロイドの物理学」 の サポートページも更新する。
昼食をとってから、ウィッテンの解説文の輪読。 今日は高分子溶液の浸透圧について。 ところで、輪読を行っていたゼミ室には、よく見るとテレビが 置いてあるではないか。 我々は決してテレビなどつけずに輪読を続けた(はずはない)。 日本もここまでくれば大変立派である。
新宿駅では雄叫びを上げる群衆と遭遇。 帰宅してからは、夕食をとりながら韓国対ポルトガル戦を観戦。 やれやれ、一日に二試合も見てしまった。
午前中、院生と議論。 著者謹呈で「粉流体の物理学」(吉岡書店)をいただく。 ありがとうございます。 これは(誰かのとは違って)売れるのではないかしら。 基研研究会「ソフトマターの物理学」に参加登録をする。 論文少し、勉強少し、キャッチボール少し。 中島らもの「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」(集英社文庫)開始。
午前中、量子力学の講義。 論文少し。 大槻ケンヂの「のほほん雑記帳」(角川文庫)、終了。
午前中、統計力学の講義。 格子欠陥の練習問題など。 午後は論文の準備を続ける。
ドイツ対カメルーン戦の後半。 ドイツが勝ったのでつまらない。 ワイルスの章を読んで、藤原正彦 「天才の栄光と挫折 -数学者列伝-」 (新潮選書)終了。 以前にも書いたが、ワイルスの話を読むと、自分が無意味なことしか していないような気分になる。
朝の通勤電車でラマヌジャンについて読む。 すでに「心は孤独な数学者」(新潮文庫)でかなり知っているが、 彼については何を読んでも面白い。
論文を書くためにNIHのパルシジアンの論文をいくつか読む。 キャッチボール。
夜はチューリングとワイルについて読む。 どちらも名前しか知らなかった数学者なので、非常に興味深い。 数学者に憧れの念を抱く物理学者は多いと思う。 藤原正彦の本は物理学者のそんなコンプレックスを微妙に刺激する。
家族で原宿のNHKを見学にいく。 スタジオパークでは、ワンワン(子供番組に出てくる犬のキャラクター) のショーがあり娘は大興奮。 その隣のスタジオでは番組の収録中で、水前寺清子や瀬川瑛子などの 生芸能人にお父さんも興奮気味。 渋谷までバスに乗って、早めに帰宅する。 夕食前に風呂も済ませ、万全の体制で日本対ロシア戦を観戦。
小学校の低学年の頃、私は「大きくなったらサッカーの選手になる」 と豪語していた。 当時、子供の遊びは野球がメインだったので、ひねくれ者の私は わざとマイナーなスポーツを主張して自己アピールしていたのだと思う。
その後、西ドイツで過ごした一年半はサッカー漬けの毎日だった。 帰国してからの小学四年生では、日曜サッカークラブにも所属していた。 日本でサッカーがこれほどメジャーになることなど、その頃は全く 想像できなかった。
8月にリーズ大学でホストをしてくれるピーター・オルムステッド が三島で開かれる高分子結晶の会議のために来日。 午前中に東京駅の成田エキスプレスの到着ホームで待ち合わせ。 一年半振りに無事再会。
東京ステーションホテルのレストランで食事をしながら、 共同研究の打ち合わせ。 ついでにリーズ大学でソフトマターに関係のあるスタッフの ことも教えてもらう。 研究者の層が厚い上に、物理、数学、化学、生化学の間で活発な交流が あるようだ。
ところで、今回のオルムステッドの日本滞在は一週間と短いが、その間に ワールドカップの試合を二試合も観戦するらしい。 この人は人生エンジョイ派だ。
15時頃に分かれて、彼は「こだま」で三島へ。 私は新宿に寄ってアンプを購入。 最近はAVアンプが主流らしいが、結局プリメインアンプにする。 店員との会話で、自分はこれまでオンキョーを使っていたので 今回もそうする、などと言っていたのが、帰宅して新しい アンプを接続しようとして、古いのをよく見るとサンスイだった。 オーディオに対する私の認識はこの程度である。 それでも新しいアンプで音は良くなった気がして満足満足。
ブラジル対中国戦。 もっと点を取ってよ、ブラジル。
本格的にREVTEX4に移行しようとして、あれこれとつまずく。 BIBTEXが思い通りにいかない。 結局、一つの論文を書くのにBIBTEXは不用と判断して あきらめる。 論文の書き出しは、最初の勝負どころ。
午後は私が尊敬するトム・ウィッテンの高分子溶液の 解説文の輪読。 いつも感じることだが、彼の英語はごつごつしていて読み にくいだけでなく、内容もまた容易には理解できない。 でも最近はそれが好きになってきた。
帰りの電車でコワレフスカヤについて読む。 夜はアルゼンチン対イギリス戦を観戦。 ストレスのたまる試合だった。
私の年齢ではまだ希望者のみでよいのだが、最近体調がよろしく ないので、大学で胃腸検診を受ける。 検診用の車に入り、まずズボンだけ脱がされて非常に間抜けな 格好になったところ、すかさず発泡剤とバリウムを飲まされて、 わけの分からないうちに台の上に乗せられる。 そのまま台が勝手に動いて(もちろん操作している人がいる)、 斜めになったり、仰向けになったり、うつ伏せにされたりして、 ますますわけが分からなくなっていると、さらに発泡剤とバリウムを 飲まされてむせてしまうし、とにかく助けてくれ。
しかし、本当の苦しみは検査が終わってからやってきた。 たいていの人はバリウムを飲むと便秘になるので、検査後に下剤が 配布された。 私は必要もないのにそれを飲んだため、急速降下のゲリマンダー (高校の「政治経済」で習った言葉)。 さらに夜には下腹部が強烈に痛み、はたして盲腸炎になったかと 思ったほどである。 まったくさんざんな一日であった。
布団に横たわりながら、大槻ケンヂの「のほほん雑記帳」 (角川文庫)をぱらぱら。
通勤電車でガロワの章を読む。 20歳の決闘で命を落としたガロワには、常に熱い血が 流れていたようだ。
午前中、量子力学の講義。 物理学会の講演申し込み。 昼食時に、大食い・早食い競争番組の是非を巡って学生と 議論していたら、重要な会議に出席することを完全に 忘れてしまい、大いに顰蹙を買う。 夕方、キャッチボール。
下宿でドイツ対アイルランド戦の後半を観戦。 当然アイルランドを応援するわけだが、最後の最後で同点に 追いついてくれて、思わず一人ガッツポーズ。 寝る前はそのアイルランド出身のハミルトンについて読む。 こちらは大変な優等生。
午前中、化学熱力学の講義。 統計力学のフォーマリズムを一通り終えることができて一段落。 あとはひたすら応用練習をさせるべし。
日本対ベルギー戦は非常に見たかったのだが、自宅に戻る関係で、 京王線の電車に乗っている間に全得点が入ってしまうという タイミングの悪さ。 その代わり、藤原正彦の本で関孝和について読む。
中山美穂の結婚を知って、実は密かなファンだったので、 少なからずショックを受けた。
午前中、研究室ゼミ。 STMやAFMの初歩的な話を研究室内の専門家に聞くことができて、 非常に有益であった。 夕方、キャッチボール。
大槻ケンヂ「のほほん人間革命」(角川文庫)、終了。 すばらしい洞察力、文章力。 一昨日に買った、藤原正彦の「天才の栄光と挫折 -数学者列伝-」 (新潮選書)も読み始める。 こちらはNHK教育の「人間講座」に加筆したもの。 最初はニュートンから。
昼前に親戚の来訪があり、昼食を一緒にとる。 午後は池袋の東京芸術劇場で池袋音楽院の発表会があり、 家族揃って出かけた。 お目当ては知人のサックス演奏で、曲目はガーシュイン の"The Man I Love"だった。
偶然にも、研究室の学生のお父上の演奏もあり、その後、 学生とご両親、知人と一緒に記念撮影。 知人と芸術劇場の喫茶店でお茶を飲んでから帰宅。 休日らしい一日。
午後から娘を駄菓子屋に連れて行き、その足で中野へGO。 ブロードウェイ内の本屋と中古CD屋で以下のものを入手。
夜はドイツ対サウジアラビア戦をテレビで観戦。 当然サウジアラビアを応援していたのだが、ご存知のように、 ドイツのゴールが次々に決まり(最終的に8得点)、あまりの有様に 呆然としてしまった。 サウジアラビアが情けないのはともかく、ドイツの徹底的な攻撃 ぶりを見ていると、なんだかこの国の国民性を見るような思いがして、 やや暗い気分になった。 ところで、そのドイツの英雄ベッケンバウアーが、しっかり お爺さんになってテレビに映っていたのが印象的であった。
1998年12月〜2000年3月: 不安なイスラエル日記