午前中、夏の学校の予稿を作成。 午後、コクロフの講義ノートの輪読。終了。 大学の帰りに歯医者に寄る。 特に虫歯ではなく、体調不良によるものらしい。 自宅でフランス対セネガル戦を観戦。
夜、学生に連れられて、野猿街道沿いの「二郎」という ラーメン店へ車で行く。 味はともかく、物事には限度があると思いつつ、 帰宅後に胃薬を飲んで寝た。
歯茎が痛い。何で?
午前中の講義のために張り切って大学に行ったら、 今日は大学の創立記念日の振替休講日だったのね。
生物物理の夏の学校の内容を練る。 そのために、プローのactive membrane関連の論文に目を通す。 でも、ラマスワミー・トナー・プローのPRLの論文は 何を言っているのかさっぱり分からないよ。 しまいには、彼らの独善的な論文の書き方に対して腹が立ってくる。
大槻ケンヂ「のほほん人間革命」(角川文庫)。
午前中、統計力学の講義。 英語の教材に学生も少し慣れてきたようだ。 午後、客人来訪。 帰宅時まで議論。
番組名は忘れたが、NHKの夜の放送で、松村邦洋がインドを 訪れてカレー三昧の三日間を過ごすという番組が面白かった。 スパイスを含んだ煮込み料理がすべてカレーというのは、私の これまでのカレーに対する概念を根底から覆すものであった。 それにしても、混沌の背後にあるインドの奥深さには唖然と させられるばかりである。
体調やや回復。 午前中、研究室ゼミ。 生物物理の夏の学校の内容を考え始める。
akikoの新しいシングルにはかなりがっかりさせられたが、 それと比較するまでもなく、 辛島文雄トリオの"The Elysian Air" (ビデオアーツ・ミュージック) は充実の一作である。 やるべきことを地道に積み上げてきた者の強さを感じる。 奥平真吾もいつの間にか日本屈指の名ドラマーになったと思う。 是非このトリオの生演奏を体験してみたい。
akikoのマキシシングル"Waters of March" (Verve)を聴いてみる。 アントニオ・カルロス・ジョビンのボサノバ曲を、 スウィング・アウト・シスターのコーリン・ドリューリー (私はよく知らない)とデュエットするというもの。 以下、酷評の羅列。
レコード会社は売れ線を意識しすぎ。 akikoの個性が全く出ていない。 しかも大物ミュージシャンとの共演というタリキー(他力本願のこと) もよくない。 そもそもボサノバに英語の歌詞は似合わない。 甘ったるいポップス調のアレンジはすぐに飽きる。
午前中、博士中間発表会。 この発表会の責任者はカリキュラム委員である私なのだが、 風邪が昨日よりも悪化したため、まともに発表を聞ける状態 ではない。 発表会が終わるや否や、朦朧とした意識の中で家路をたどる。
などと言いつつも、途中の高田馬場で以下のものをゲット。
朝起きてみるとしっかりと風邪をひいている。 午前中に大学の医務室に行く。 喉が赤いので風邪薬をもらう。 さらに最近の体調に悪さについて保健婦さんと色々と相談する。
午後、コクロフの講義ノートの輪読。 高分子電解質ゲルについて。
昨晩は睡眠がうまくとれず、体調劇悪。 風邪もぶり返す。 ほとんど気を失いそうになりながら出勤。 電車の中でうたた寝をするたびに、窓ガラスに頭を ぶつけて目を覚ます。
大学に着いても頭を使う仕事はできそうになかったので、 学振の書類などを準備する。 その他にもいくつか仕事を片付けるが、夕方には完全に ダウン。 この日記も続けるのが精一杯。
午前中、量子力学の講義。 お昼からお客さん来訪。 半日、丸々議論。 再び喉が痛み始める。
中島らもの「さかだち日記」(講談社文庫)、終了。 筒井先生もそうだが、どうして一人の人間が 「物書き」と「芝居」と「音楽」を全部こなせるのだろうか? 私が「研究」と「教育」と「家庭サービス」をやるのとは ワケが違う。
一旦、復調。 午前中、統計力学の講義。 午後、教室協議会。 キャッチボール。 ナノチューブの論文。
午前中、研究室ゼミ。 今日は私が担当。 3月の花王の講演で準備したパワーポイントを使用。
東北大での集中講義は6月27、28、29日に決定。
先週、ヘルペスが治ったばかりなのに、今日は朝から喉が痛くて 体もだるい。 風邪のひき始めだろう。 なかなか体調が安定しない。 薬とオレンジジュースを飲んで早く寝る。
近所の児童館で「どうぶつ村」という一種の移動動物園のような 企画があるというので、娘を連れて出かけた。 仮設の柵の中で鶏やあひるやうさぎなどを放し飼いにして、 子供が自由に餌を与えられるようになっている。
日常で自然に接する機会のない子供にとってはとてもよいイベント だと思う一方で、気になることもあった。 動物の方が大勢の子供に追い回されてかなり弱っているのだ。 餌を口に近付けても食べようとしない。 暑さも原因だろう。 無邪気な子供達は動物を抱きかかえようとするのだが、当然動物は 嫌がり、そのまま地面に落下したりしてかなり悲惨である。
あと羊も一匹見つけたので、娘に「ドリーがいるよ」と言ったら、 妻に叱られた。
ウェイン・ショーターの新作"Footprints Live !"(Verve)の評価は なかなか難しい。
ブルーノート時代やマイルスバンドでは圧倒的な革新性を発揮した ショーターだったが、その後のウエザーリポートではジョー・ザビヌル の影に隠れて、だんだんとその存在感を失ってしまった。 ショーターがウエザーリポートに参加したのは、本人のみならず、 邪頭の進化にとって最大の損失だった、というのがこれまで の私の見方である。
新作を聴いて、ショーターが再び本気で邪頭に取り組んでいる、 ということはよく分かる。 邪頭の本質に迫ろうとする気迫が伺える。 彼もようやくウエザーリポートの呪縛から解放されたのである。
でも、一方でやはり遅過ぎたのかもしれないという気もする。 60年代後半のフリージャズにありがちな聴衆との乖離が感じられ、 なんともピンとこないのである。 選曲もほとんど60年代の自分の作品ばかりである。 そう思うと、"Footprints"というタイトルはやや皮肉にも受け取れる。
結局、ショーターは30年間の眠りから覚めて、一人で70年代初頭に 戻ってしまったのかもしれない。 結局そこからやり直すしかなかったのだろう。
午後はコクロフの講義ノートの勉強会。 高分子電解質のマニング凝縮について。
早速、律義な福田氏から釈明のメイルをもらう。 本人の名誉のために、許可を得てそのまま掲載。
好村さん、 まず私の日記の背景色ですが、「5月は新緑の色にしよう」 と思って適当に色を作ったら、好村日記と非常に近い色になってしまった というのが真相です。好村さんの真似をしたわけでは決してありませんが、 気が付いたときには確かに「しまった」と思いました。
午前中、ある方の15年近く前の博士論文を読む。 昨日読んだ北原ノートを拡張した内容。 午後は学生と北原ノートについて議論。 冒頭のある方とも、メイルで何回かやり取り。
その後、教授会、キャッチボール。 教授会が長引いたので、キャッチボールは暗くてもう できないかと案じたが、間に合ってよかった。 夜はカーボン・ナノチューブの変形の論文を読む。
帰りに中島 らもの「さかだち日記」(講談社文庫)を購入。 プロの物書きの日記文には関心があるのだ。 あと、大槻ケンヂが中島らもの文章をどこかで絶賛 していたのが気になっていた。 「逆立ち日記」かと思ったら「酒絶ち日記」だったのね。
午前中、量子力学の講義。 午後はトレーサー拡散について書かれた北原先生の講義ノートを フォローする。 疑問点多々あり。 夕方にキャッチボールをしたが、すぐに雨が降り始める。
この日記と福田氏の日記の 両方を読んでいる研究室の学生が、 「最近背景の色が同じなんですけど」と指摘するので、 「僕の真似をしたんだよ」と答えておいた。 求む、本人のコメント。 それにしても、どうして福田氏は五月祭の初日(24日)など という非日常時に本郷でセミナーをやることになったのかしら。 あっ、ごめんなさい。私は大学の用事で出席できません。
そういえば、 akikoの新譜が でるようだ。 前作の「アップストリーム」は中途半端でがっかりしたので、以前ほどの期待感は ないが、まだ十分気にはなる。
午前中、化学熱力学の講義。 統計力学の内容を始めるにあたって、カリフォルニア大学で使われている 英文の教材を用意したが、学生はかなり戸惑っているようだった。 完全にあきらめて寝てしまう学生もいて、こちらとしては期待外れの 反応であった。 学生にとって、英語で統計力学を学ぶのはまさに二重の苦しみなの でしょう。 でもそのうち慣れると信じているので、しばらく今のやり方を続ける。
ひょんなことから、夕方に研究室のメンバーとキャッチボールをした。 すぐに腕が痛くなったが、久しぶりの運動は心地良かった。 かさぶたがほとんど消えたので、散髪に行った。
午前中、研究室ゼミ。 学生がゲルバートのラメラ・ラメラ相分離の論文を紹介する。 午後は院生と議論して、その後ひたすら雑用をこなす。 さらに明日の講義の準備。
幸い疱疹はほとんどかさぶたになった。 明日からは本格的に仕事に戻らなくてはいけない。 かさぶたを傷つけないように気をつけながら、 四日ぶりに髭を剃る。
NHKの「奇跡の詩人」問題の行方がどうも気になる。 もしかしたら番組にしっかりと騙されたかも知れない、という 気がしてきたからである。 (5月10日の日記参照。) 残念ながら、昨日のNHKの釈明放送はきちんと検証したといえる ものではなかったと思う。 番組スタッフが確認したと口で説明するだけでは説得力がない。
自分には明らかに収集癖がある。 同様にCDや本や映画でも、一旦気に入ると、同じ人の作品をすべて 見たり聴いたりしないと気が済まないところがある。 少なくとも揃えようとする。
ということで、ビリー・ワイルダー監督の「第十七捕虜収容所」 を鑑賞する。 ウィリアム・ホールデン主演の1953年の作品。 物語の設定が面白い。 この映画でワイルダーがユダヤ人であることを初めて知った。 ナチス批判のような重いテーマを明るく描けるところが、 ワイルダーの真骨頂である。
新しい発疹はできなくなったので、後は今ある疱疹が かさぶたになって消えるのを待つしかない。 だるい感じが残っているということは、まだ本格的には 回復していないのだろう。
4月28日のNHKスペシャル「奇跡の詩人」は私も見ていた。 実は数年前に偶然、何の先入観もなく、日木流奈君の本をぱらぱらと 眺めたことがあった。 その時の印象では、親の想像を流奈君が代弁している形式で 表現しているのかと思い、それはそれで何ら問題とも感じなかった。
ところが番組では本当に本人が表現しているということなので、 単純に驚いたが、そのこと自体を疑ったりはしなかった。 でも、流奈君が読んだ本の中に「ファインマン物理学」などが あったりして、ぎょっとした記憶はある。 11歳であれば、理解することはできなくても、読むことは できるのかなと思って納得したのであった。
医学書を読むと、ヘルペスを治すには安静第一のようだ。 ウイルスなので抗体ができるのを待つしかない。
特に他人への感染の危険はないが(もちろん水疱を他人に 直接擦りつけたりしたらダメ)、実際のところ疱疹で恐ろしく 人相が悪くなってしまったので、とても外出する気分ではない。 髭も三日剃っていない。
さらに医学書によると、 単純ヘルペスには二つのタイプ(I型とII型)があり、 口もとはI型、性器はII型でできるとされている。 しかし、最近の調査では、性器ヘルペスの40%がI型 であることが分かっている。 これが何を意味しているのか皆さん考えてみませう。
午前中は量子力学の講義。 午後はばたばたとしながらも、 なんとか論文を 投稿。 ついでに最近の別の はこちら。 アンデルマンはプレプリントサーバーに論文をのせるのが 好きである。
夕方、自宅近くの病院に行き、顔の発疹を診てもらう。 単純ヘルペスと診断される。 昨夏に感染した水疱瘡ウイルスが、体力の低下で再び暴れ出した ようだ。 先週来の風邪が原因だろう。
朝から雨で、いきなり勤労意欲がそがれる。 京王線も大幅にダイヤが遅れ、早くも疲れ気味。
それでも、さすがにゴールデンウィーク明けで、いくつか 仕事が待ち受けている。 まず論文の最終的な仕上げ。明日には投稿するぞ。
論文のレフリーが2本入る。 その他、生物物理若手の会夏の学校の講師の依頼あり。 夏のイギリス行きのアレンジを始める。
それはともかく、ひえー、なんか顔に水疱状の湿疹が できて気持ち悪いよー。 安部公房の「カンガルー・ノート」(新潮文庫)では、 ある日突然、主人公の脛にかいわれ大根が生えてくるが、 それに通ずる不快感。 明日病院に行こう。
多摩から自宅に移動。 途中で田無に立ち寄った際に、3年半前ににインフルエンザで 入院した佐々病院の前を通る。 午後は明日からに備えて自宅で休息。
それにしても5月に入ってからの日記を読み返してみると、 現実逃避しかしていないことに気付き唖然とする。 これが私の現実なのだろう。
家族で京王多摩川駅前にあるフローラルガーデン「アンジェ」 を訪れてみる。 オープンしたばかりにしては、肝心の植物がどうも少なくて、 やや期待外れであった。 芝生の上では弦楽四重奏のコンサートが行われるなど、くつろいだ 雰囲気のはずだったが、あまりの暑さで落ち着いて鑑賞できる気分 ではなかった。
その後、南大沢まで移動して、人気の少ない大学内の芝生で子供 と遊ぶ。 夜は娘を初めて回転寿司に連れて行ったら、案の定、大興奮で あった。 しかし、途中からは食べることよりも、皿を取ることに興味が 移ってきたので退散。 多摩泊。
今日のビリー・ワイルダーは1957年の「翼よ! あれが巴里の灯だ」。 初の大西洋横断飛行に挑戦したリンドバーグの物語。 ジェームス・スチュワートの若さが印象的。 リンドバーグのチャレンジ精神には、研究者としても見習うべき 点がある。
ゴールデンウィークに突入して、現実逃避が続く。 この際、ビリー・ワイルダーの作品でまだ見ていないものを チェックしておこうということで、ビデオ屋で何本か借りてきた。
今日は1944年の「深夜の告白」を見る。 ストーリー、演出、会話などすべてうまくできている。 最近でも福岡でも保険金殺人があったことを思うと、 この手のテーマは永遠なのかもしれない。
なんか調子が悪い。 咳がいつまでも消えない。 おまけに今日の午後からはひどい頭痛がする。 とても自分の研究をする気分ではなかったので、 どうせゴールデンウィークの中日などと勝手に 自分に言い聞かせながら、昨日に続いてインストール 遊びで思いくそ現実逃避。
でもこんなことを書いていて、普段どれだけ実のある ことをやっているのかと、ふと考え直してみると、 実はそうも違わなかったりするのが悲しい。
そんな悲しい日に、なぜか内田春菊の「もんもんシティー」 (文春文庫)を読んでいる私。
午前中、講義。 午後はまるまる思いっきり現実逃避。 自分のパソコンにVine Linux 2.5をインストールする。 といっても昔に比べれば、インストールで手間取ることは ほとんどない。 あとはただ自分の環境を設定するのみ。
研究室の学生が明大前まで広島風お好み焼きを食べに行くらしい。 広島で育った私も同行したかったが、体調が万全ではなかったの でやめておいた。 明大前には、学生時代に通った「マイルス」という邪頭喫茶がある ので、ついでにそこも勧めておいた。
1998年12月〜2000年3月: 不安なイスラエル日記