困りますよ、筒井先生。 四冊も同時に出版していただいては。 自選ホラー傑作集の「懲戒の部屋」、「驚愕の広野」、 自選ドタバタ傑作集の「最後の喫煙者」、「傾いた世界」 (すべて新潮文庫)。
すでに読んだことのある短篇が多く含まれているが、 少しでも未読のものがあれば、やはり買わないわけには いかない。 あれ? いつの間に「パプリカ」が新潮文庫から出ていたのだろう?
市川宇一郎著「極私的モダン・ジャズ・ドラマー論」(音楽之友社)に さっと目を通す。 もう少しドラマーの目から見た専門的な解説をして欲しかった。 この本に登場する以下のドラマーに心当たりのある人は相当の 邪頭オタクだ。 チャック・フローレス、ケニー・デニス、シャドウ・ウィルソン、 ローレンス・マラブル、オシー・ジョンソン、フランク・イソラ、 ガス・ジョンソン、アーサー・エッジヒル、レッド・ホルト。 もちろん私も知らない。
落ち着いて論文を書こうとするが、電解質系に関わる 部分をどの単位系にするかで悩む。 あれこれ教科書を調べてみると、 イスラエルアチビリやヴェナーシュトロームはMKS、 サフランやアンデルマンのレビューはcgsと、なんとも ややこしい。 単位系は前者が好きだが、フォーマリズムは圧倒的に 後者がスマート。
単位系のことで疲れたので、小ムラマサ君を少しいぢって、 最低限のことができるようにする。 と言っても、telnetやftp、Meadowのようなごく基本的 なものをインストールしたに過ぎない。 なんで最初からXPに付属していないのだろうか? PHSを使ってのダイヤルアップ接続ができるようにして 今日の作業を終了。
本当は昨日買ったパソコンをいぢりたかったのだが、 カリキュラム関係の仕事でなかなか時間がとれず。 夕方になってようやく触ってみて、小さいながらキーの コリッとした感触が気に入る。
昨晩と今晩で、娘が借りてきた「千と千尋の神隠し」の ビデオを見る。 映像は文句なしにきれいだと思った。 しかし、もともと映画のストーリーを追うのが苦手な私には、 無意味にごちゃごちゃしている気がして、何が何だかよく わからなかった。 私は映画にロジックを求めてしまうのだろう。
午前中は研究室ゼミ。 今日は天気が良かったので、研究室メンバーの集合写真を撮った。 そのうち研究室のホームページに載せます。
夜、散髪。 美容室で髪を切ってもらうと、どうも物足りない。 これからまた別の店を探そう。
先週の土曜日の日記で予告しておいたように、 あっさりとメビウスのPC-MM1-H1Wを近所のLAOX購入した。 迷いはなし。 日本のパソコンは世界一。
我が家はトヨタのヴィッツに乗っているが、これが リコールの 対象になった。 その通知の葉書も届いていたので、近所のトヨタへ行った。
部品の交換が終わってから、担当の人が説明してくれた ことによると、ヴィッツは外国でも売れていて、フィンランド では郵便配達車として採用されているそうだ。 今回の不具合はそのような厳寒地域で発生したらしいが、 どう考えても日本で普通に運転している限りは、今のままでも 全く問題ない気がした。
それより、担当の人の「三菱さんのようなケースも ありますので」という一言の方が印象に残った。
午前中に化学熱力学の講義。 今日の講義にはキレが無かった。 来週は大学祭でお休み。
講義が終わってから、邪頭研の三宅君が「来週の大学際では 先生のためにスティックを用意して待っています」と言ってくれた。 「とんでもないよ」とその場では一蹴したものの、実は まんざらでもない私。
シャープはメビウスMURAMASAシリーズで、今まさに私が求めて いるものを出してくれた。 10.4型のPC-MM1-H1Wだ。 イスラエルでは以前のメビウスがしっかり働いてくれたし、 実際に店頭で手に取ってみると、なんだかその孫のような気がして 最初から強い愛着が湧く。 ほぼ間違いなく誘惑に勝てないだろう。
午前中は、昨日から読み始めたレフリー論文のコメントを書く。 午後はカリキュラム関係の仕事。
無性にに研究室のホームページ内の不統一性などが気になって、 夜になってからいぢる。 見事な現実逃避。 だが、実際にはさほど変わらない。
先延しにしていたレフリー論文に目を通し、ようやくコメント を書いて、いざウェッブ上で入力しようとしたら、他の二名の レフリーは返事を済ませていて、それに基づいて論文はすでに リジェクトされていた。 力が抜ける。
まあ、遅れた私が悪いのかもしれないが、せめてエディターの の決定が出たら伝えて欲しいものだ。 もっとも、私もリジェクトの判断だったので、著者にとっては 同じことだったのだが。
気を取り直して、別のレフリー論文を読む。
今朝の気分はしっかり鬱状態。 天気も悪いし。
先週参加した講演会の報告書を、液晶学会誌のために書く。 完全に専門外の内容なので、正直なところなかり辛いものがあった。 ますます気持ちが落ち込んでいったが、 なんとか夕方までに一通り仕上げる。
それから、アンデルマン滞在の報告書も一気に片付けてしまう。 ついでに「アンデルマンの日本印象記」というページを作ってみた。 是非ご覧下さい。 いくつか重要な点を的確に指摘していると思う。 こうやって遊んでいるうちに、ようやく気が晴れてきた。
パリティの3月号に掲載された 「ソフトマター:物理学と生物学の接点」 という記事に目を通してみた。 エジンバラ大学のプーンと、リーズ大学のマクリーシュ が書いた記事の日本語訳だ(訳者はお茶大の奥村氏)。 7月の生物物理の夏の学校の前に読んでおけばよかったの だが、うっかり見落としていた。
導入では物理と生物の乖離について述べられていて、 その通りと思いながら読んでいたが、そこからいきなり 「生物に関係したソフトマターを粗視化して見ることで おもしろい結果が得られた例をいくつか紹介」するだけで ソフトマターを「物理学と生物学の接点」とするのは やや無理があるのでは? 問題の本質は、生命現象を物質科学として理解できるのか ということだと思う。
この記事でプーンらは、生物の理解に粗視化モデルを導入する 必要性を訴えたかったのだろう。 先月の物理学会でお会いした美宅先生も同様の事を話して おられた。 本当にこれでよいのだろうか?
午前中は研究室ゼミ。
先週、幹線ネットワークの全学的な切り替え工事があり、 恥ずかしながら都立大でもようやく100BASE-TXが使える ようになった。 早速、生協にスイッチングハブを買いに行った。
4、5年前のスイッチングハブの価格を考えると、信じられない ほど安くなっているので驚いた。 新しいハブを設置してほとんど問題なく作動したが、 通信速度が今までの10倍になるわけではないのね。
チャールス・ロイド先生の新譜"Lift Every Voice" (ECM) を少しずつ聴いている。 前作と比べてピアノがブラッド・メルドーではなく、 ジェリ・アレンになっているのが残念。 マービン・ゲイの"What's Going On"を取り上げたのは さすがとしか言いようがない。
引越しで不要になった物を、堀之内の「ハードオフ」で下取り に出すことにした。 そこでたまたま大西順子の"at the Montreux Jazz Festival" (EMI)という中古レーザーディスクを見つけたので(実際には 新品であった)、迷わずにその場で買った。
すでにレーザーディスクの時代ではないのだが、この作品は DVD化されていないし、しかも大西順子が失踪してしまった 今となっては貴重な映像記録なのだ。 発売当時には、まさかこんなことになるとは思わず、 入手していなかった。
彼女のCDはほとんど持っているが、演奏の様子を初めて 見てみると、この人はやはり凄かったのである。 すべてのプレイに強靭な意志が感じられる。 改めて復帰してもらう以外にないと思った。 とりあえず、もう一度、彼女のCDを最初から聴いてみよう。
それに比べると、先日の斉藤真理子さん、悪くはないが、 どうしても線が細い。
午前中は化学熱力学の講義。 ようやく軌道に乗ってきたようだ。 学生の一人が講義の後にとてもいい質問をしてきた ので、自分の説明が悪かったことは別として、 こちらも満足。
今日はアンデルマンの帰国日。 講義が終わってから最終的な打ち合わせをし、 自宅で家族と一緒に昼食をとる。 研究室の人に車で荷物を国際交流会館から南大沢まで 運んでもらい、スターバックスでコーヒーを飲んでお別れ。 最後の数日は慌ただしかった。
丸一ヶ月、夢を見続けていたような状態だった。 夢から覚めて、完全に気が抜けた。
朝、大学でアンデルマンに会ってからお台場へ行く。 目的はこちら。 新橋で吉野家の牛丼を食べて、再びユンケル黄帝液を注入。 「ゆりかもめ」からの景色は良いが、車内は狭くて不快。 どんなに無理をしても、前の人と膝がぶつかる。
講演の方は思いっきり異分野の内容が聞けたという点では収穫あり。 近いうちに液晶学会誌に報告書を書きます。
研究会が終わってから再び新橋に戻り、サラリーマンの大群の中で 焼き鳥と釜飯を食べる。 食べ過ぎで気分が悪くなった。 帰りの京王線が長く感じられる。
アンデルマンの誕生日。
今日は私がお茶大を訪問。 事前に池袋でユンケル黄帝液を一本注入。 夜は集まった人達で飲み。 最初はべらべらしゃべっていたが、だんだん 疲れてきてパワーダウン。
それでも今日は、新宿のタワーレコーズで思いがけず チャールス・ロイド先生の新譜"Lift Every Voice" (ECM) を入手するという大収穫があり、最高のドリンク剤 を注入したような気分である。
ついでに、寺島靖国のコラムにそそのかされて、斉藤真理子というピアニストの "Voices" (What's New Records)も買ってしまう。 「斉藤真理子」という名前は邪頭なんかしなさそうだし、 理学部応用数学科卒というのも意表を突いている。 こういうパターンに弱い。
疲れが継続中。 アンデルマンは午後からお茶大を訪問。 その間にたまった仕事を片付ける。 久しぶりに院生と議論する。
翻訳の「ソフトマター入門」(シュプリンガー・フェアラーク東京) が刷り上がり、手元に届く。 書店には25日あたりに登場予定。
午前中は院生二人がそれぞれの研究内容をアンデルマンに説明。 午後は私と議論。 アンデルマンのリクエストで、多摩センターの夜は「多摩ビール」 という地ビールの店に行って、濁ったヴァイツェンビールを飲む。 かなり疲れてきた。
相模川沿いで研究室のバーベキュー・パーティー。 全体としてはとても楽しかったが、大量の肉や野菜が 余ってしまい、研究室に戻って夜の10時まで食べ 続ける。
午前中は家の部屋の整理。 学生が明日のバーベキューの準備をしているので、 様子を見に行く。 肉の量が足りないと主張して、学生一緒に買い足しに 出かける。
つくばからバーベキューに参加する人は我が家に前泊。 アンデルマンも広島から戻ってくる。 全員で夜中までおしゃべり。
午前中は化学熱力学の講義。 出席人数が先週よりも増えた。 今日はあまりうまく話せなかった気がする。
講義が終わってから、三宅君が部屋までついてきたので、 昼食まで邪頭談義。 私の知らないレッド・ガーランドのCDを貸してくれる。 ポール・チェンバースとアート・テイラーの50年代の トリオだから、どう転んでも良いに決まっている。
そこへスタッフの一人がやってきて、先週彼がブルーノート 東京へ聴きにいったミシェル・カミロのCDを持ってきてくれた。 その時のドラムだったオラシオ・エルナンデスのビデオ も一緒に貸してくれる。邪頭的一日。
今朝の朝日新聞には日立の外村氏の論説が載っていたので 興味深く読み始めたが、主張はやや月並みと思われる。 それよりも日本人のノーベル物理学賞候補といわれる人達 の名前がすべて登場するのがポイントか。
私見ではあるが、日本は欧米の研究システムを真似しようと し過ぎる。 我々日本人が、日本古来の美徳、感性、風習を捨ててまで、 研究することはないと思う。 と言うか、そういうのは所詮無理なのだ。
今回の田中氏の受賞は、むしろそんなことを我々に教えて くれているような気がする。 ノーベル賞講演を日本語でやるというのは大変立派。 ついでにそれを日本のテレビで全国放送してもらいたい。
昨晩、思いついたモデルを詰めて考えてみる。 たぶん、あまり面白くない。
ノーベル化学賞の田中氏の話は聞けば聞くほど面白い。 様々な意味で学問の世界の常識をひっくり返しているのが 愉快である。 文科省も「21世紀COE」のような無意味な政策(おそらく 経済政策としても無意味)を考える前に、ノーベル賞委員会の 業績評価の方法を少しでも学んで欲しい。
いつまでも引きずるのが嫌になったので、科研費の申請書 を一気に仕上げて提出してしまう。 あと論文の校正を終えてしまえば、ようやく研究に戻れる。 地道にいこう。
引き続き論文の校正。 一度、編集部で目を通してくれているので、細かいミスが 修正されているのが有り難い。 一方で、あれほど気合を入れて書いているはずなのに、 どうしてもミスがなくならないのは情けない。
小柴先生は私の在学中にまだ在職であった。 久しぶりのノーベル物理学賞はもちろん嬉しいが、 この手のビッグサイエンスでは、ごく一部の人しか受賞で きないので、やや割り切れない思いがある。 さらに、すでに亡くなった人達の業績が評価されないのも 釈然としない。
アンデルマンのシャツが宅急便で届く。 夜はレフリーの論文を2本読む。 そんなところに、引き続きノーベル化学賞のニュースが 飛び込んでくる。 こちらはかなり痛快。
久しぶりに何も用事がなくて、雑用的仕事に専念。 科研費の申請はだいたいよいことにして、一旦切り上げる。 後は延々と論文の校正。
科研費にまつわる思い出を一つ。 私が大学院生だった頃、指導教官の科研費申請書の清書を お手伝いしたことがある。 そこには、次のような今でも忘れられない文章があった。
アンデルマンは名大の宿舎にシャツや上着を忘れてしまった らしい。 明日、私が宅急便で受け取ることに。 今日は京大理学部でセミナーのはず。
午前中は後期になって最初の研究室ゼミ。 物理化学実験の前に、カリキュラム委員として 化学科3年生の学生にガイダンス。 午後はひたすら科研費の準備。 むなしい作業である。
しかもこの忙しいタイミングで、論文の校正が送られて くるので、思わず泣けてくる。
amazonで注文していた "Polymer Phase Diagrams"(Oxford)が届く。 パラパラと眺めているだけで楽しい。
ようやく家のカーテンが揃う。 ついでに本屋で市川宇一郎著「極私的モダン・ジャズ・ ドラマー論」(音楽之友社)と、神奈川県を含む道路地図 を買う。
先週はいろいろなことがあって疲れた。 休息。 アンデルマンは休む間もなく、朝から名古屋へ出張。
朝、娘の運動会。 子供よりも親の方が緊張していたかもしれない。 一時間だけ見学して化学熱力学の講義。 今日はお互いに様子見。 なぜか出席している三宅君。
アンデルマンはブルーノート東京のミシェル・カミロ・トリオ に行きたかったようだが、すでに予約で満席だったので、 渋谷に出てJ Z Bratでライブを聴く。 寺下誠&堤智恵子ビッグバンド。
久しぶりに日本人のライブを見て、いつの間にか自分より 若い世代のプレイヤーが台頭していることに気付かされる。 客は少なかったものの、演奏は期待していたよりは良かった。 でも1ステージだけでは短かすぎるね。 全部で4曲しか演奏しないので、1人のソロは1回しかない。
学生時代にお世話になったバーに寄って帰る。 あの頃には時間がたくさんあった。
午前中は明日の講義の準備。 午後は生産研に移動してアンデルマンのセミナーに出席。 ツォリのブロックの仕事。
夜は田中研のスタッフと東北沢で会食。 北朝鮮による拉致問題を英語で説明するのはムズい。
午前中は科研費の準備。 夕方、アンデルマンと議論。
その後、自宅で夕食を食べながら深夜までおしゃべり。 イスラエルの政情などについて。 バラク前首相がいかに期待外れだったか聞かせてもらう。
発表された21世紀COEのあまりのひどさに呆れ果てる。 世紀の愚策だろう。 恥ずかしくてアンデルマンに説明する気も起こらない。 最初から予備校の出す偏差値で決めれば、多くの研究者が無駄な 時間を割かずに済むのに。
午前中は科研費の申請の準備。 午後はアンデルマンとラフトのモデルの打ち合わせ。
都民の日?
朝はしばらくアンデルマンのプリントアウトを手伝う。 その後、昼食をはさんで、夕方まで彼と議論する。 現在扱っているモデルの拡張と、ラフトのモデルの説明をする。 ポイントは理解してもらえたと思う。
夜は自宅で一緒に食事。 台風のため大学に戻って仕事をするのは断念する。
2002年8月:
リーズ滞在篇
1998年12月〜2000年3月:
不安なイスラエル日記